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2024年卒対象
経営共創基盤 IGPI
白熱教室 1st.
代表取締役CEO 村岡氏講演

Speaker

村岡 隆史
経営共創基盤 IGPI
代表取締役CEO
三和銀行にて、プロジェクトファイナンス業務、M&A業務に従事。モルガンスタンレー証券を経て、産業再生機構に参画。三井鉱山、ミサワホーム、ミヤノ、ダイエー等の案件を統括。
IGPI設立後は、数多くの企業の構造改革や事業再生に関わる他、中国・アジア諸国でのM&A・投資、成長戦略立案プロジェクトを多数統括。
INCJ社外取締役、新日本工機社外取締役、池貝社外取締役、元金融庁参与
東京大学農学部卒、UCLA 経営学修士(MBA)UCLA 経営学修士(MBA)
目次
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Sessions
皆さんは就職活動が始まって間もないと思います。そのため就職活動をしていくにあたり、留意した方がいいこと・考えておいた方がいいことをなるべく共有させて頂きたいと思います。
私自身の経験も含めて生々しく伝えていきたいと思います。
まず「社会に貢献する・活躍する」というこの定義を考えることは、アプローチとしてとても良いと思います。そもそも、この質問の意味は何?ということをきちんと解釈し、考え直すところから始めることは凄く価値のあることです。
質問の字面だけを見て、すぐに答えを議論し始めると、それぞれ質問の捉え方や解釈の仕方が違う可能性もあるので、まずそこから考え始めることはすごく良いです。
大切なことは、社会の中で貴重な存在・ユニークな存在であることも重要という点です。実際に現場で起きていることや、スキルは、どんどん変わっていきます。毎年、もしかしたら毎日変わっているかもしれない。そのため確かに需要があることは重要ですが、継続的に需要があるスキルは一体何なのか?もし時代の最先端のスキルを開発することを指しているのであれば、それは世界で最前線のスキル開発者しかできないということです。
その領域は一番競争が激しく、かつそのポジションを継続的に守っていくことができるかというと、そんなに簡単ではない。どんどん若くて優秀な人が出てくるし、世界中のどこから競争相手が出てくるかわからない。
そのようなことをもう一度深めて考えていただきたいです。
もう一点は、資本主義の社会においてお金を生み出して社会を回すことに貢献できるということを若いうちに経験してほしいです。
まず、企業に所属することで、経済活動に貢献をすることを意識してほしいです。お金をリアルに生み出していくことは、とても大変なことかもしれないですが、若いうちはまずそちらにきちんと挑戦してほしいです。
その上で、それがどういうことかを経験した上で、自分の人生の選択として次はボランティアをやってみたい、ということがあればボランティアをやるのもありだと思います。
IGPIはコンサルティングファームではない
一番理解していただきたいことは、経営共創基盤IGPIはコンサルティングファームではないです。
正しくは「コンサルティングもやっている会社」です。他には、会社の経営や、投資事業です。コンサルの比率は全社50パーセント程度です。
メンバー一人一人が目指しているものは、必ずしもコンサルタントとして道を極めるとかではなく、将来会社経営の専門家やプロフェッショナルになりたい人たちが多く、そのマネジメントや会社の経営をする上で、コンサルタントのスキルが役に立つことは間違いないのでコンサルティングもやっているというのが正しい認識かと思います。
なぜ、マネジメントプロフェッショナルという集団を目指したのか?というと、前述にあった通り、社会に貢献するために一番役に立つ・必要なスキルは、マネジメントいわゆる経営のスキルだと思っているからです。会社を作った15年前からそう思いながら会社を作っています。
理由は、特に日本では、マネジメントはすごく重要だと考えています。日本の会社は技術が一流で、ものづくりはすごくうまい、サービスもすごく良いと言われています。それにも関わらず、なぜか世界で勝てない。世界で競争力が得られない。それはなぜか?は過去何十年も問われており、私たちの答えはマネジメントのスキルが弱いということです。
日本の大企業等に入ってもそういう勉強や経験を若いうちにさせてもらえないと思っています。結果的に日本の企業が世界に勝てない理由になっているのは経験の場がないからだと考えています。私たちの会社は若いうちにそういう経験ができる場を積極的に作ろうと考えています。結果として経営やマネジメントのプロフェッショナルが生まれてきて、自動的に私たちの会社自体もどんどん強くて大きな会社になってくるという考え方で作ったのがこのIGPIという会社になります。
アメリカの利益と日本の利益が毎日ぶつかる
外資系企業から得た仕事観
私自身の経歴を紹介します。最初に三和銀行に入りました。その後モルガンスタンレーに入社し、その後産業再生機構に移り、その後に今の会社を15年前に設立しました。
外資系の会社で感じたことは、外資系の良さと難しさ、良さは仕事のダイナミズムさです。日本の会社・日本の組織に比べると意思決定が早いのでダイナミックな経験ができます。一方で難しいことは、それぞれの国の国益を背負ってしまうことです。モルガンスタンレーはどこまでいってもアメリカの会社であり、最後はニューヨークにあるウォールストリートがモルガンスタンレーの株主のグラウンドなので、そこに利益を落とすような仕事を求められます。そのため、仕事の中でアメリカの利益と日本の利益が毎日ぶつかり、時には日本の利益や日本側の考え方を捨てて、アメリカの利益やアメリカの考え方を取らざるを得ない。
結果として、私は少なくとも日本人で意思決定ができる会社組織に戻りたいと思い、モルガンスタンレーから産業再生機構に移りました。この時には外資系から政府系の機関に移ったので、給与は6分の1に下がりました。今思うと自分自身のキャリアの選択として一番いい選択をその時したと思っています。その時の選択がなかったら今の自分はないと本当に思っています。
自分自身のやっている仕事に充実感と自信を持つことができると、結果的に自分の仕事のパフォーマンスも自動的に上がると思います。

二人の 恩師と輝き続ける理由
もう一つ共有したい点が、産業再生機構の時の上司の話です。斉藤さんと高木新次郎先生は、高齢ながらも、輝いて見えました。
六十超えても七十超えても輝いている人は、本当にいいなと思いました。何故で輝いているように見えるかというと、要は社会からちゃんと求められているからで、六十過ぎても七十過ぎても社会に対して貢献しているかつ活躍できているため、私だけでなく周りの若者から慕われていたし、かつ輝いて見える。
私が考えたことは、人生六十過ぎても七十過ぎても社会に対して貢献ができ、社会から求められるような人間になりたいということです。結局八十になっても九十になっても社会に貢献し活躍できてかつ輝ける人間になるためには、二十代のうちに何をやっておかなければいけないのかというのが一つの問いだと思います。
僕が先輩を見て思うのは三つあって、一つは知識の幅広さです。それは一つの分野の専門家だけなくて、幅広い知識を持っているということ、それから二つ目は変化に強いということ。先輩は好奇心が本当に強いです。言葉を変えれば新しいことを学ぶのが上手い。七十になってもスマホを使うのが誰よりも早かった。それから高木先生はディスカウントキャッシュフローという新しい企業価値算定の方法を一から勉強していた。その時に三十歳ぐらい年下の私に対して頭を下げてきて、「一からこれ勉強したいから、一から教えてくれ」と言ってきた。弁護士界の大先生が頭を下げてきた。この衝撃は忘れられません。そして気が付いたら一年後、先生は本を書いていた。
三つ目は人間に対する洞察力が高いこと。人間とは何なのかを見る目がすごくしっかりしていることです。人間に対する興味が強く、その結果人間としての魅力もすごく人間らしいものになるということです。私はこの三つが凄く大切なことだと思います。

分業制コンサルではなく、ワンストップで答えを出す
一般的にコンサルティング会社は、戦略・実行と分けられますが、いわゆる分業制は誰が作ったのかというと、アメリカやイギリスいわゆるアングロサクソンの人達が専門ごとに分けてやった方が、効率が良いと考え作り出した仕組みです。例えば会社の経営陣が戦略のことについてアドバイスを受けようと思ったらマッキンゼー、投資についてであればゴールドマンサックス、モルガンスタンレー、会計だったら…などこのように分かれていた方が良いということでできた仕組みなのですが、結局経営をする上では、この全部の部分をまとめて、最終的にどうするのかということを決定しなければなりません。
しかしその役割は、構造上誰もやってくれない。みんな意見がばらばらで出てきてしまう。そこで私達が思ったのは、ならばこれを全部まとめてワンストップで答えを出しワンストップソリューションを出すことができるファームを作りたいということ。そこでできたのがIGPIです。
だから、コンサルティングだけでなく、それ以外のところも全部やる。特に投資という分野はコンサルティング会社ではやっていない。さらに分野が増えてきて、AIやデジタルトランスフォーメーションの分野もマネジメントの一部に入ります。加えて「ものづくり」も凄く大切で、ものづくりの現場いわゆる工場をどうやって効率的に運営するか、ということも重要です。それも全部まとめて答えを出していくことができる会社は世の中に少ないです。

